ここでは、指定難病の一つ、「潰瘍性大腸炎」という病気について解説していきます。潰瘍性大腸炎は、全国に約30万人以上いると想定され、幅広い年代に発症します。おもに20~40代の若い世代が発症のピークですが高齢者でも発症することがあります。重症度の評価基準は、症状に応じて軽症・中等症・重症の3つに分けられています。
症状としては、大腸の粘膜に潰瘍などができ、下痢、腹痛、粘血便などの症状が表れます。大腸以外にも、関節の痛みや腫れ、口内炎などの症状が出ることもあります。重症化すると発熱や体重減少、貧血などの全身症状が出ます。慢性的な病気で良くなったり、悪くなったりを繰り返します。検査方法としては、血液検査や便検査、大腸カメラなどが挙げられます。
潰瘍性大腸炎の明確な原因はまだ分かっていません。原則、治療では薬による薬物療法を行います。薬物療法は「5-ASA製剤」を用いるのが基本で、ほかにはステロイドや免疫調整剤などを使います。大腸の炎症を抑えることで、多くの患者さんは症状が改善していますが、完治することはありません。症状が治まっても継続的な投薬治療が必要です。ただ、薬物治療で良くならない場合は手術が必要となり、大腸の全摘出もあり得ます。
また、この病気と上手く付き合うには、日頃の食事やストレスケアの指導も欠かせません。患者さんが腸に負担をかけない生活を送れるよう、丁寧な生活指導と精神的なサポートを続けることが求められます。