誰もが健やかに自分らしく生きたいと願うものですが、予期せぬ難病によってその想いが脅かされることがあります。患者さんにとって、難病の発症は、人生を揺るがす大きなショックな出来事となり得ます。そんな患者さんと向き合う看護師は、相手の心情を理解することはもちろん、難病の知識もしっかりと頭に入れておく必要があります。そこで今回は、国の指定難病の一つ、「全身性エリテマトーデス(SLE)」の情報にスポットを当てていきます。
この病は、患者の約9割を女性が占め、特に20代〜40代の好発年齢層に多く見られる自己免疫疾患です。この時期は就学や就職、結婚、妊娠・出産、育児など、人生の大きなライフステージと重なります。そのため、治療を継続しながらいかに生活やキャリアを維持していくか、またライフイベントとどのように向き合っていくかが、患者さんが直面する大きな課題となっています。
現在のところ、SLEの根本的な原因は完全には解明されていません。しかし、遺伝的な素因に加えて、紫外線や感染症などの環境的要因も関係しており、さまざまなきっかけで発症しやすくなると考えられています。現れる症状も非常に多様で、両頬に蝶が羽を広げたような紅斑が生じる「蝶型紅斑」や光線過敏症といった皮膚症状をはじめ、発熱、全身倦怠感、関節炎などがあります。
SLEの治療は薬物療法が中心で、症状をコントロールする形で行われます。副腎皮質ステロイドや免疫抑制薬、生物学的製剤などが挙げられ、患者さんそれぞれに合う形で処方されています。現代の医療ではまだ完全な治癒は難しいものの、適切な治療によって病気の勢いを抑える「寛解(かんかい)」の状態を導き、それを維持することが可能となっています。