難病の患者さんをケアする看護師は、そのご家族へのケアにも目を向ける必要があります。実際、ご家族は患者さんの予期せぬ病気の発症や進行に伴い、生活が一変して大きな戸惑いの中にいます。先の見えない療養生活は精神的な負担が重く、毎日のケアに追われる中で、知らず知らずのうちに心身がすり減っているケースが少なくありません。
特に注意深く見守るべきなのが、長期にわたる献身的なケアによって引き起こされる介護疲れのサインです。ご家族は「自分が頑張らなければ」と無理を重ねがちで、限界を迎えるまでSOSを出せないことも珍しくありません。看護師が日々の関わりの中で体調の変化や表情の暗さにいち早く気づき、「最近は眠れていますか」といった細やかな声かけを行うことが重要です。孤立しがちなご家族に寄り添い、家庭内の大変な状況を医療従事者に打ち明けられる環境を提供することも大事なケアとなります。
ご家族が自分だけで悩みを抱え込まないよう、周囲に相談しやすい環境を整えるのは看護師の役目といえます。ご家族と接する際は、具体的な介護の方法だけでなく、経済的な不安や将来への恐れなど、多岐にわたる悩みを丁寧に聴き取る姿勢を重視しましょう。その際、看護師がすべてを解決しようとするのではありません。話を打ち明けることで気持ちを整理することを助け、必要に応じてソーシャルワーカーや地域のケアマネジャーといった専門職へスムーズにつなぐ架け橋となることが求められます。